みなさんの中に口臭が気になるというお悩みをお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか?
口臭は大きく2つに分類され、生理的口臭と病的口臭に分けられます。
生理的口臭は老若男女誰にでもある口臭で、生活リズムや習慣により発生する、いわば避けられない口臭です。
病的口臭は歯周病やその他の口腔内疾患によって引き起こされる口臭の他、口以外の器官の病気が原因となる口臭のことです。
口臭の原因としては様々な因子が考えられますが、全ての口臭の8割以上の原因が口腔内の細菌と言えるでしょう。
口腔内の細菌は誰にでもありますが、細菌が繁殖することにより硫化ガスが発生し口臭となるのです。口臭は細菌をコントロールすることで抑えることが出来ます。今回は細菌をどのようにしてコントロールしていくのかという方法についてお伝えしたいと思います。
正しい歯磨きを行う
適切な歯磨きが出来ている方はそう多くありません。
まずは歯磨きを朝晩2回、出来れば毎食後に行いましょう。
1回の歯磨きの時間は3分以上で、歯ブラシは毛先を歯の面には直角に当て、歯と歯ぐきの境目や奥歯の溝、歯と歯の間は角度をつけて磨き残しのないようにしっかりと磨きましょう。磨き方に自信がない人はかかりつけのクリニックで磨き方をチェックしてもらうこともおすすめです。
歯科医院での定期的なクリーニングを受ける
歯磨きや自宅のケアだけでは除去出来ない歯垢はやがて時間が経つにつれて歯石となります。歯石は口臭の原因となる上、自宅でのセルフケアでは除去出来ません。定期的なクリーニングを受けることで口臭予防にも繋がるのです。
唾液の分泌を促す
口腔内が乾燥していると唾液による自浄作用が失われ、細菌が口腔内にとどまり続けてしまいます。そのため細菌が増殖することにより口臭の原因となります。
こまめな水分補給はもちろん、唾液腺のマッサージやガムを噛むことも口臭予防に繋がります。また、酸味のある食べ物にも細菌の繁殖を抑える効果があると言われています。食後に酸味のある食べ物(レモン、パイナップルなど)を取り入れることで歯垢の形成を抑え口臭予防に繋がるため、是非日常に取り入れてみて下さい。
舌磨きを行う
口臭のうち生理的口臭は舌についた汚れである舌苔(ぜったい)が主な原因といわれています。舌苔の付着を予防するには、適切な舌磨きを行うのが効果的です。
週に1度か2度、舌ブラシもしくは柔らかい歯ブラシで根元から舌先の方向に磨きましょう。舌磨きに関しては、やり過ぎも注意です。あくまでも舌を傷つけないように優しい力で行うことが重要です。
フロスや歯間ブラシ、ウォーターフロッサーなどを使用する
フロスや歯間ブラシは、歯と歯の間の汚れを取り除くために欠かせません。
歯ブラシのみで取り除ける汚れは全体のうちおよそ40%ほどなので、フロスや歯間ブラシはどんな方にも必要と言えるでしょう。どちらを使用するべきかは人によって異なるため、かかりつけ歯科医院で聞くと良いでしょう。
さらに細かい汚れを取りたい方にはウォーターフロッサーなどの商品を使用してみてはいかがでしょうか。歯ブラシやフロスでは取り除けないさらに細かい汚れもしっかり除去でき歯垢が歯石になるのを防ぎます。
生活習慣を改善する
生活習慣の改善も口臭予防には重要です。十分な睡眠時間を確保し、適切な運動を行いストレスを溜めないことも健康的な口腔環境を保つためには欠かせません。
禁煙やアルコールの摂取を適度に控えること、規則正しい食事の摂取も効果的です。
歯列矯正を行う
歯並びが悪いことで歯ブラシが隅々まで行き届かず、虫歯や歯周病に罹患しやすくなることで口臭の原因となります。
特に叢生(そうせい)と言って、歯が重なり合って生えているガタガタの歯並びの状態は磨き残しが多くなるため要注意です。
歯列矯正を行い歯並びを整えることで、口臭の改善もかなり見込めると言っても過言ではありません。
まとめ
基本的には、毎日の口腔ケアと定期的な歯科検診を受けることで健康的な口腔内環境を保つことが出来れば口臭は改善することが出来ます。
適切な歯磨きや補助用具の使用はもちろん、歯ブラシの交換をこまめに行ったりすることも口腔内の清潔を保つことに繋がります。
口臭にお悩みの方は、まずはかかりつけの歯科医院で相談してみることをおすすめしますが、セルフケアでも十分な口臭対策が期待できますので上記のことをまずは実践してみていただければと思います。
歯科医院によっては口臭の検査を行っているクリニックもございますので、気になる方は是非一度相談されてみてはいかがでしょうか。
口臭を予防し、いつまでも健康なお口の状態を保ちたいですね。
文:歯科医師 赤松佑莉奈