ワイヤー矯正中は歯が汚れやすい……持ち運びができるジェットウォッシャーで虫歯予防

デコボコの歯並びや噛み合わせの乱れを解消し、美しく健康な口元を手に入れるために行われるワイヤー矯正。
しかし、お口の中に装置が 24時間固定されており、治療期間も数ヶ月から数年と長いため、汚れがとても溜まりやすことをご存じですか?

「矯正装置が邪魔で歯磨きがしにくい」
「歯に汚れが残っていて見た目が気になる」
「矯正治療中の虫歯や歯周病が心配」

など、矯正治療中のオーラルケアについて困った経験がある方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、矯正中の歯の汚れを放置するリスクや、効果的に汚れを落とす方法について解説したいと思います。
歯の健康を維持しながら、きれいな歯並びと素敵な笑顔を手に入れましょう!

ワイヤー矯正中はなぜ歯が汚れやすいの?

一般的にワイヤー矯正で使われる「マルチブラケット装置」は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな部品を接着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす装置です。
歯に直接部品を接着するため、部品と歯の境目にどうしても汚れが付着しやすくなります。
毎日の歯磨きでしっかり汚れを落とすことができれば良いのですが、矯正中は前歯から奥歯まで1本のワイヤーがつながっているため歯ブラシが届きにくく、磨き残しがどんどん溜まってしまうことも。

また、汚れは歯の表面だけでなく、歯と歯の間「歯間部」や、歯と歯ぐきの境目の溝「歯周ポケット」にも多く残っています。
歯間や歯周ポケットの清掃にはデンタルフロスが有効ですが、矯正中の場合ワイヤーが邪魔になりフロスが入れにくく、自宅では十分に清掃できないことが多いため、黄ばみや着色の原因になってしまいます。

歯の汚れを放置するとどうなる?

歯の汚れの正体は「プラーク」と「着色」です。

歯の表面に、白くネバネバした汚れが付いていた経験はありませんか?あれがプラークです。
プラークは食べカスだと思っている方も多いですが、実はそうではなく、細菌の塊です。耳かき一杯分のプラークの中には、なんと10億以上の細菌がいると言われています。

汚れのもう1つの原因である着色は、飲食物に含まれる色素が歯に付着することで引き起こされ、歯が黄ばんだり茶色くなったりします。
お茶やコーヒー、ワインなど色の濃い飲み物を好む方は、特に注意した方が良いかもしれません。

これらの汚れを放置するとどんな影響があるのか、詳しくみていきましょう。

・虫歯や歯周病のリスクが高まる

プラーク中の細菌は、歯の表面の「エナメル質」を溶かしたり、歯ぐきに感染して炎症を起こしたりとさまざまな悪さをします。
その結果、虫歯や歯周病といったお口のトラブルにつながってしまうのです。

矯正治療中に虫歯や歯周病を発症した場合、その治療のために矯正を中断しなければならなくなり、矯正期間が延びる可能性があります。
最後まで矯正を続けることができたとしても、治療が終わった時に歯がボロボロになっているのも悲しいですね。
矯正治療で後悔しないためにも、虫歯や歯周病は避けたい問題の1つです。

・見た目が悪くなる

プラークや着色は、歯の健康を損なうだけでなく口元の美しさにも影響を及ぼします。

笑ったときに歯が黄ばんでいたり汚れていたりすると、口元の印象が暗くなり、清潔感もありません。

歯の汚れがコンプレックスになり、口元を気にして人前でうまく話せなくなったり、他人と食事に行けなくなったりするなど、日常生活の質が大きく低下する原因にもつながります。

ワイヤー矯正中は装置の見た目が気になることも多いので、せめて歯の汚れや着色はしっかりと落としておきたいですね。

矯正中のオーラルケアには複数のケア用具を活用!

矯正治療中も清潔で美しい歯を保つことは、治療を計画通りに進めたり、見た目に自信を持てるようになったりとメリットがたくさんあります。

効果的な清掃方法として、まずはいつも使っている歯ブラシを、ヘッドが小さいものや、ポイント磨きができる「ワンタフトブラシ」に変えてみましょう。

細かい部分にも歯ブラシの毛先が届きやすくなり、しっかり汚れをかき出すことができます。

デンタルフロスは、指に巻いて使う巻き取りタイプの商品がおすすめです。持ち手がついているものはワイヤーが妨げになり使えないため避けましょう。

使い方は、先にワイヤーの隙間からフロスを入れた後、歯と歯の隙間に通します。少し時間がかかりますが、1日に1回は実施して汚れを溜めないようにしてください。

ただ、奥歯の隙間や歯周ポケットの中はどうしても歯ブラシやデンタルフロスが届きにくく、汚れを十分に落としきれません。

そんなときの強い味方が「YOXウォーターフロッサー」です。

YOXウォーターフロッサーは、お水をジェット噴射することで歯と歯の間や歯周ポケット内など細かい部分のプラークをしっかりと洗い流してくれるオーラルケア用品です。

コードレスな上にたった128gというコンパクトさで小さなカバンにもすっぽり入るため、持ち運びがしやすく外出時にも使用可能なのが嬉しいポイントです。静音化モータを搭載していて運転音が静かなので、周りの目を気にせずどこでも快適にオーラルケアが可能です。

ウォーターフロッサーは、ひととおり歯磨きが終わった後の仕上げのタイミングで使うのがおすすめです。タンクのお水にマウスウォッシュを追加すれば、細菌の繁殖を防ぐことができ、お口の中もさわやかになりますよ。

おわりに

ワイヤー矯正中はさまざまな清掃用具を組み合わせてオーラルケアを行うことで歯の汚れを効果的に落とすことができ、清潔で美しい歯を保つことが可能です。

矯正中の歯の汚れでお悩みの方、虫歯や歯周病が心配な方は一度ケア用品を見直してみると良いかもしれません。

ぜひこの記事を参考にして矯正治療をスムーズに進め、理想の歯並びを手に入れてくださいね!

文:歯科衛生士 久保 夕佳