YOX CLUB 編集部 皆さんは毎日歯を磨いていますか？
多くの方が「はい」と答えると思います。
実際、令和4年に行われた調査で、日本では97.4%の人が毎日歯をみがき、毎日2回以上歯をみがく人は79.2%でした。
この数字をみると、日本はオーラルケアの意識が高い国だと感じるかもしれません。
しかし、世界基準のオーラルケアとは、自分で歯ブラシで歯をみがくことだけではないのです。
日本では「自分で歯ブラシで歯をみがくこと＝オーラルケア」と捉えられていますが、他の先進国では、それ以上のケアと歯への関心があります。
他の先進国と日本のオーラルケアは何が違うのか、みていきましょう。
スウェーデンの場合
政府主導のもと、国をあげた予防歯科の実践
スウェーデンは現在、世界で最も予防歯科の進んだ国として知られています。
しかし、かつては多くの人がむし歯や歯周病で歯を失っていました。
それを重くみた政府が1970年代に政府主導のもと国が一丸となって予防歯科の普及をスタートさせました。
その効果は非常に大きく、現在、スウェーデンは世界で1番歯科疾患の少ない国となっています。
実施されている取り組み
スウェーデンでは24歳までは歯科治療・予防を無償で受けることができます。
それ以降も、予防歯科を含めた歯科治療に保険が適応されます。
日本の場合、保険が適応になるのはむし歯や歯周病が発症してからであり、予防に関しては自費扱いなのです。
スウェーデンの人は幼い頃から歯科医院を予防のために訪れているのですね。
2004年にWHOが行った調査では、1人あたりのむし歯の本数が、スウェーデンは1本、日本は1.7本です。
また、80歳での残存歯数は、2013年のスウェーデンで21.1本、2016年の日本で17本となっています。
国民の予防歯科に対する意識の高さ
日本では使用率の低いデンタルリンスやデンタルフロスですが、スウェーデンでは国民の間で利用が定着しています。
「歯ブラシ以外にデンタルリンスやデンタルフロスも使うのは当たり前だと思う」という質問に対し、スウェーデンでは68.3%が「当たり前」「どちらかといえば当たり前」と回答。
一方、日本では51%が「ブラッシングだけで十分だと思う」「どちらかといえば十分だと思う」という結果でした。
その他、デンタルリンスの使用率はスウェーデンで39.5%、日本で24.0%。
デンタルフロスの使用率では、スウェーデンでは51.6%、日本では20.5%となっています。
令和4年に日本で行われた調査では、デンタルフロスや歯間ブラシを利用している人の割合は全体で50.9%となりました。
日本のオーラルケアへの意識も高まりつつあることが調査結果から読み取れ、これからに期待です。
アメリカの場合
アメリカもオーラルケアの意識が高い国の一つです。
歯科健診の受診率
ライオン株式会社の「直近1年間に歯の健康診断を目的として歯科医を受診した回数」のアンケートでは、アメリカでは２回と回答した人が最も多かったです。
スウェーデンは1回、日本は57.5%の人が直近1年間では健診を受けていない結果となりました。
歯科医院への通院目的
また、歯科医院の通院目的にも日本との違いがあります。
日本では、「むし歯の治療」が66.5%と最多なのに対し、アメリカでは「歯の健康診断」が57.7%と最多でした。
アメリカでは、歯や口のトラブルを予防する目的で受診する方が多いことがわかります。
通院回数も、日本は平均4.6回なのに対し、アメリカは2.6回に留まっています。
日本は継続的な治療が通院の中心なのに対し、アメリカは口腔内の健康診断とクリーニングが中心なので、通院回数がかからないことが特徴です。
歯ブラシ以外のアイテムの使用率
歯ブラシ以外のアイテムの使用率でも、日本とは大きく異なります。
日本では、歯ブラシの使用率は95%を超えているのに、その他のアイテムの使用率は大きく下がっています。
アメリカではデンタルフロスの使用が夜では40%となっています。
また、デンタルリンスも夜の歯みがき時に50%弱の人が使用しています。
まとめ
日本以外の先進国では、歯は初対面の印象に大きく影響を与えると言われています。
日本人は、オーラルケアは歯ブラシで歯を磨くことと考えがちです。
しかし、実際には歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやデンタルリンスなど他の道具も使用しなくては、口腔内の汚れを取り除くことはできません。
歯ブラシだけではプラークの除去率は58%と言われています。
デンタルフロスやデンタルリンス以外にも電動歯ブラシやウオーターフロッサーなども海外ではよく使用されています。
YOXウォーターフロッサーは外出先でも使用でき場所を選ばず使えるのでお勧めです。
一歩進んだオーラルケアを目指していきましょう。
文：歯科医師 古山直香